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 1980年代、ニューヨークはギャングと犯罪の巣窟(そうくつ)で、年間2千件を超える殺人事件が発生しており、その中でもひったくりや強盗の狙い場になっていたニューヨークの地下鉄。車体の内外もスプレーで落書きされ、一般の生活者は危険すぎて夜間に地下鉄には乗れない状態が続いていた。地下鉄に乗る=強盗してくれ!という日本では考えられない方程式が成立していたようだ。

そんな危険な場所に、当時22歳(1981年)の若き写真家クリストファーモリス氏が飛び込み、撮影した当時の地下鉄風景シリーズが凄い。(氏は現在では数々の報道写真賞を受賞し、Time紙の契約フォトグラファーでもある大御所である)そこに写し出されているのは、まさにリアルファイナルファイトの世界、あの手に汗を握る2面ステージのようだ。

その後、ニューヨーク市長となったジュリアーニ氏が「壊れ窓理論」をいち早く取り入れ、市の治安は劇的に回復し、現在の状態になっているわけだが、今の普通が未来では異常に映る光景があり、またそれら異常な状態は長くは放置されない。そういった未来の異常を感じ取る力が報道写真家には大事なのだと感じさせる。
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また、当時のニューヨーク地下鉄をモチーフにした映画をつなぎ合わせた動画も発見しましたので、興味ある方は是非。

Dirty Old New York Subway from Jonathan Hertzberg on Vimeo.

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